
マスターシートから自分の担当案件を探し出すのが大変…



FILTER関数を試してみたけど、一つのステータスしか抽出できない…
「自分の担当案件を、さらにステータス別に分けたい…」でもFILTER関数が上手く機能しないと、イライラしますよね。
実は、FILTER関数を少しだけ応用することで、その両方の悩みを一気に解決できるんです。
この記事で紹介する方法を使えば、たった一つの数式で、
「アポ」「検討中」「承諾」
といった複数のステータスを、見出し付きの一覧リストとして自動で作成できます。
具体的なイメージはこちらです。




一度設定すれば、あとは元データ(マスターシート)を更新するだけ。
もう手作業で案件を探したり、複数のFILTER関数を管理したりする必要はありません。
さっそくその方法を見ていきましょう!
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【コピペでOK】FILTER関数を使ったステータス別リストの作り方
早速FILTER関数を使ってステータス別リストを作る数式をご紹介します。
(※こちらをコピペして貼り付けてください)
={
{"--- アポ ---","",""};
IFERROR(FILTER('マスターシート'!A:C, 'マスターシート'!B:B="MASA", 'マスターシート'!C:C="アポ"),{"","",""});
{"--- 検討中 ---","",""};
IFERROR(FILTER('マスターシート'!A:C, 'マスターシート'!B:B="MASA", 'マスターシート'!C:C="検討中"), {"","",""});
{"--- 承諾 ---","",""};
IFERROR(FILTER('マスターシート'!A:C, 'マスターシート'!B:B="MASA", 'マスターシート'!C:C="承諾"), {"","",""})
}
こちらの数式をご自身のシートに合わせて変更してください。
- 「マスターシート」の部分を自分が抽出したいシートの名前に変更
B:B
やC:C
の部分を「担当者」や「ステータス」がある列番号に変更- 抽出したい担当者名とステータスの状態を変更
少し見づらいと思うので、ポイントをまとめます
- 全体を
{ }
で囲んで、複数のリストを縦に連結 - FILTER 関数で「担当者」と「ステータス」のW条件抽出
- IFERROR 関数でエラーを隠して、見た目をキレイに



それぞれ詳しく解説していきます
- 全体を
{}
で囲んで、複数のリストを縦に連結 -
これが今回の一番のキモです。
数式全体を
{}
(波括弧)で囲むことで、見出しや複数のFILTER
関数の結果を、上から下へと連結し、一つの大きなリストとして表示しています。間にセミコロン
;
を挟むことで、「ここから改行して次のリストを連結して」という意味になります。この仕組みのおかげで、たった一つのセルにこの数式を入力するだけで、見出しを含んだ全てのステータスのリストが自動で完成します。
修正したい時も、このセルを直すだけなので管理がとても簡単になります。
- FILTER 関数で「担当者」と「ステータス」のW条件抽出
-
FILTER 関数は、条件に一致するデータだけを元のシートから抽出してくる関数です。
今回は、
'マスターシート'!B:B="MASA"
(担当者が”MASA”である)'マスターシート'!C:C="アポ"
(ステータスが”アポ”である)
のように条件を2つ指定することで、「担当者がMASAかつ、ステータスがアポ」のデータだけを絞り込む、という高度な抽出を実現しています。
- IFERROR関数でエラーを隠して、見た目をキレイに
-
もしマスターシートの中に「アポ」の案件が1件もなかった場合、
#N/A
というエラーを返してしまいます。そこでIFERROR関数を使ってFILTER関数全体を囲み、「もしエラーが出たら、代わりに空行を表示してね」という指示を出しています。
そのために、IFERROR関数の第二引数に
{"","",""}
を置きます。
(※""
の数は抽出したい列の数に合わせる必要があります。)これにより、該当データがないステータスがあってもエラー表示されず、常にスッキリとしたリストを保つことができます。
見出し部分の {"--- アポ ---","",""}
にある空欄 ""
の数は、FILTER関数で抽出する列の数(今回はA:Cの3列なので、見出しと合わせて合計3つ)に揃えるのがルールです。
ここがズレるとエラーになるので注意しましょう!
よくあるエラーや不具合の対処法(Q&Aコーナー)
最後に、この数式を使う上でつまずきがちなポイントを、Q&A形式で先回りして解説します。



ここを読めば、エラーが出ても慌てず、すぐに対処できるようになります
- 「#VALUE!」というエラーが出る…
-
これが一番多いエラーです。
多くの場合、
{}
の中で列の数(主に""
の数)が揃ってない可能性が高いです。抽出したい列が3列なら
{}
の中は3つ。5つなら5つ。と""
の数を調整してください。 - 「#ERROR!」というエラーが出る…
-
数式の最後の部分に
;
が入ってませんか?IFERROR関数を繋げる際は、IFERROR関数の最後に
;
を入れる必要があります。しかし、繋げるものがない(つまり最後のIFERROR関数)後に
;
が入っていると#ERROR!
が出ます。 - 抽出した日付や時間が変な数字で表示される
-
スプレッドシートが日付を管理している管理用の数字(シリアル値)がそのまま表示されている可能性があります。
数字の表示がおかしな列を選択して「表示形式」→「数字」をクリックします。
その中から表示したいの数字が
日付なら「日付」
時間なら「時間」
を選択してください。
まとめ
今回は、FILTER関数と配列{}
を組み合わせて、ステータス別の案件リストを自動で作成する方法を解説しました。
- FILTER関数で、複数条件に合うデータを抽出する
{}
と;
で、見出しや複数のリストを縦に連結する- IFERROR関数で、データがない場合のエラーを防ぐ
- 各パーツの列の数をそろえるのが絶対のルール
このFILTER関数の使い方の良い所は、元データの増減によって行数が変わることです。
もしFILTER関数を別々のセルに置いてしまうと、上のリストが伸びてきたときに下のリストと衝突し、#REF!
エラーが発生してしまいます。
今回のように{}
の中に全てのFILTER関数をまとめてしまうことで、その衝突を気にする必要が一切なくなります。



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